Macで writer.app + BlackHole を使った自動文字起こしを行う方法
writer.appのProプランでは自動文字起こし機能を搭載していますが、Starterプランでもmacの外部アプリケーション「BlackHole」や「Soundflower」と組み合わせることで自動文字起こしを実現できます。この記事ではBlackHoleについて説明します。
mac OSがCatalinaより古い方はSoundflowerの記事を、windowsの方はこちらの記事をご確認ください。
BlackHoleとは?
BlackHoleは、あるアプリケーションから他のアプリケーションへオーディオの受け渡しができる、Macのアプリケーションです(厳密にはMacOSのシステム拡張)。
BlackHoleをインストール・設定することで、Macのスピーカーから出る音をそのままマイクで拾えるように設定できます。
しかし、Macbookで音声再生しつつスピーカーから流れてくる音声をそのままマイクで拾えばばいいのでは?と思われるかもしれません。その辺りMacbookはよくできていて、自分のスピーカーからの音をマイクは拾わないのです。
そこで、このBlackHoleでスピーカー→マイクへのオーディオ設定が必要になります。
BlackHoleのインストールと設定方法

それでは自動文字起こしの前準備として、BlackHoleのインストールを行います。直接プログラムを実行する方法(ターミナル)もありますが、今回は初心者向けのインストール方法をご案内します。

まずはBlackHoleのページの「Download Installer」をクリックしてインストールページに移動します。

ページの下のフォームに、メールアドレスと名前を記入して「Subscribe for Free Mac Download」のボタンを押してください。するとメールアドレス宛に認証メールが届くので、メールのリンクをクリックしましょう。

リンクを開いたら、BlackHole 16ch v0.2.6のボタンを押して、パソコンにファイルをインストールします。

文字起こしの手順
- システム環境設定からサウンド設定を変更する。
- writer.appの設定を変更する。
- writer.appで音声入力を有効にし、音声を再生する。

まず始めにシステム環境設定からサウンド設定を変更します。
システム環境設定 → サウンド を開いて 出力タブ、入力タブで 「BlackHole (16ch)」を選択します。あわせて主音量は最大に設定しておきましょう。これで、スピーカー→マイクへのオーディオ設定が完了です。

次にChromeブラウザでwriter.appにアクセスし、以下の設定を行います。
- 音声ファイルをアップロード
- 音声入力ONに
- 音量設定を 100 に設定
- 再生速度を 0.95x 程度に設定(任意)
※再生速度は、音声入力の感度に応じて後で調整してみてください。
そして最後に音声を再生すると、文字起こしが開始されます。
文字起こし時の注意点
音声データの雑音に注意しましょう
音声データの中でBGMが流れていたり、雑音が多いと音声認識の精度が落ちてしまいます。
あまりに雑音が多く認識されない場合は、audacityなどの加工ソフトで音声のノイズを除去してみましょう。また、自動文字起こし精度を高める録音方法の記事も参考にしてください。
サウンド設定に注意しましょう
BlackHoleの設定を変更すると、スピーカーから音が流れなくなります。自動文字起こし終了後は、サウンド設定の出力・入力設定をもとに戻しておきましょう。
また、音量を最大に設定することになりますので、音量設定にはくれぐれもご注意ください。
データ容量に注意しましょう
writer.appに音声データをアップロードしてもエラーになってしまう場合は、データ容量が重すぎる可能性があります。
アップロードするファイルサイズは、上限50MBを目安としてください。(あくまでも目安です。システム上の上限は500GBとしていますが、PCのスペックにより変動しますのでご注意ください)
エラーになってしまったら、音声ファイルを分割するか、writer.appの音声プレイヤーを利用せずにiTunesなどの外部音声プレイヤーをご利用ください。
BlackHoleとGoogleドキュメントとの組み合わせの欠点
BlackHoleとGoogleドキュメントを組み合わせた自動文字起こしの方法もあります。
しかし、Googleドキュメントの音声入力は、画面をバックグラウンドにすると動作が止まるため、常に画面を前面に開いておく必要があります。またGoogleドキュメントのメニューを触ると勝手に音声入力が止まってしまったり、文章に改行が入らなかったりと、非常に使いづらいものでした。
一方でwriter.appはそのデメリットをカバーしており、一度音声入力を始めると、バックグラウンドでも音声入力は止まらずに文字起こしを続けます。また改行や句点が入るので、編集もラクに行なえます。
さらに、writer.appには再生速度の調整機能があるので、少し早口の会話であっても再生速度を落とすことで音声入力に認識させることができるのです。
さいごに
この記事ではmacのBlackHoleを使った自動文字起こし手順をご紹介しました。もし試してみて設定が面倒だなと思った方は、writer.appのProプランへの切り替えも検討してみてください。
Proプランの自動文字起こし機能では、外部アプリケーションの設定が一切不要です。複数のファイルを同時に文字起こしすることもできるので、効率性の重視や煩わしさを解消したい場合はProプランへの変更をおすすめします。
参考記事: writer.appの自動文字起こし機能の使いかた